特別の日の着物

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 かつての女性の着物の柄は概して地味であったが、昭和時代になると大柄の紋様の着物が普段着でも着られた。戦前の結婚衣装は江戸褄(えどづま)(留袖(とめそで)ともいう)の五つ紋で、黒地に裾模様の黒留袖、またその他の紺や色物の色留袖を着た。留袖は、振袖に対して袖が普通の丈の約五十五センチほどのもので、衽(おくみ)と身頃にかけて文様のあるものをいうが、裾模様のあるものを江戸褄と称している。昭和二年生まれの女性の母親と祖母の時代、明治、大正時代は花嫁衣装には実家の紋をつけて嫁に行ったが、自分の時には嫁ぎ先の紋をつけて嫁入りしたという。また、葬式には現在喪服は黒地であるが、昭和十年頃は亡くなった人の近親者は白の喪服に白い帯であった。そして額に白い三角形の半紙をつけたという。
図4-4
図4-4
留袖は紋様が身頃と衽(おくみ)にかけて描かれている 学園西町(2011.10)

図4-5
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念仏講中の女性たち。皆よそ行き着は着物 飯山達雄氏撮影・寄贈 小平市立図書館所蔵(1957年頃)