図4-15 ヘッツイでご飯炊き 飯山達雄氏撮影・寄贈 小平市立図書館所蔵(1957年頃) |
図4-16 畑仕事の合間の昼ご飯(同上) |
図4-17 ちゃぶ台で食事。大人の女性は着物の上から白の割烹着を羽織っている 小川町 個人所蔵(1962) |
図4-18 蜜蜂の飼育箱。かつては養蜂する農家は少なくなかったという 小川町(2011.7) |
朝食は麦ご飯に味噌汁に御新香である。味噌は少なくともつくりおきが一年分はあったし、なかには十年もの、三十年ものというほど寝かせた味噌を持っている家もあった。味噌汁の具について出てくるのも多くは大根であり、漬物も沢庵である。各家で作る漬物も味噌も、家ごとに微妙に味も作り方も違っていた。普段のおかずは、その時期穫れた食材が続くことになる。主婦は昼食時間には野良仕事を二十分ほど早めに切り上げ、手早く、いかに目先を変えて家族に美味しいものを食べさせるかに、毎日頭を悩ました。手打ちうどんはモノビの食べものであったが、ある家では、きつい労働が続いた時など、手早くうどんを打って昼食にしたという。調味の基本は味噌、醤油、塩が主なもので、砂糖はあまり使わなかった。油は菜種油、ごま油、大豆油を購入し、てんぷらなどのあげものに使った。