化学肥料の利用は第二章第二節にも記しているが、さつまいもの作付には有機肥料の堆肥、米糠、草木灰、骨粉などが使われていたが、後に塩化カリ、硫酸カリといった化学肥料が普及すると、以前ほど有機肥料は使われなくなった。化学肥料の肥料効果ははるかに高い。しかし、化学肥料を使うと畑の土が変質して、人の手に負えなくなるようなこともあった。たとえば塩化カリを使うと、酸性度が高いため-硫酸カリも同様だが-、土壌が酸性化してしまい、ホウレンソウは育たずネギは枯れる。農家は土壌を中和させるために石灰を多量に使って酸性土壌の衝撃を乗り越えてきた。化学肥料の多用は、手間を増やすことにもなる。