目次
/
民俗編
/
第四章 暮らしと技術
/
第二節 生産技術と農具
/
2 麦作りにおける技術と農事暦
麦の間作
407 ~ 407 / 881ページ
厳しい冬を越して、三月になると暖かさが増し、麦の苗は日毎に勢いよく丈を伸ばす。五月の節句の時期には五十センチから八十センチにも伸びる。伸びるごとに倒れないように土寄せを行う。五月のはじめになると大麦も小麦も皆穂が出て、後は充分麦が実るのを待つだけになる。その一方、丈の高くなった麦の間作にさつまいもや里いも、じゃがいもの植付が始まる。麦間を腰を曲げての作業であるから、働く農家の人の姿は麦に隠れて見えない。