モロキュウリの肥料で最も大切なのは燐酸分である。ナス、トマトも同様である。燐酸分は基本肥料になる。できればそれも硫酸系の方が良い。窒素肥料が多すぎた場合モロキュウリにならないキュウリができ、カリ肥料が多すぎた場合はなったキュウリが極端に細くなる。配慮しなければいけないのは、肥料の配分バランスである。試行の結果、モロキュウリ栽培の施肥の配分は窒素、燐酸、カリの比率が三対八対六であった。この仕事に集中したのは三十代である。昭和三十年くらいにモロキュウリ栽培にとりかかり、昭和四十年頃には高値で出荷できる状況を維持していたのだが、この仕事は大変な手間がかかり重労働で、体力的にも限界を感じて辞めることになる。