小平駅前稲荷神社の祭りは新年の歳旦祭と五月の第三日曜日の祭りである。氏子地域の美園町は戦後になってできた地域なので、小平の中では比較的新しい祭りである。祭りの数は他の神社と比べると少ないが、新年には深夜にもかかわらず多数の参拝者が訪れる。そのうち隔年の五月第三日曜日に行う祭りは、神輿渡御があって賑やかである。神輿渡御のルートは基本的に町会全体を巡るようにしている。初めて神輿を購入したのは昭和四十年ごろで、現在担がれている神輿はその後に新たに購入したものである。祭りを始めた当初、神輿の担ぎ方は仲町の人たち(熊野宮の氏子)に教えてもらい、今でもお世話になっている。美園町は商店が立ち並ぶ地域で、地元の銀行や信用組合では三十年前から法被を作って、行員全員が参加して神輿を担いでいるという。