図6-15
多摩野神社 天神町(2010.7.14)
多摩野神社 天神町(2010.7.14)
多摩野神社は延命寺(天神町二-二九六)境内にある小さなお社である(図6-15)。氏子たちは多摩野神社のことを天王様と呼んでいる。この神社の由緒については確かな記録が残っていないので詳細は不明であるが、氏子の話によると、延命寺が建てられるより十年くらい早く祀られたという。氏子区域は野中東(花小金井のうち青梅街道沿い)と野中西(天神町)で、延命寺の檀家がすなわち氏子だというわけではなく、両者はあくまでも別の扱いになっている。また、多摩野神社の氏子区域は武蔵野神社の氏子区域でもあるので、ここの氏子は武蔵野神社の氏子でもある。
多摩野神社の祭りは、夏の疫病を防ぐため、七月十四日に宵宮、十五日に天王祭をする。祭りでは、神社役員の参列のもと、延命寺住職が般若心経を唱え、直会をして終わるという簡素なものである。しかし、現在の年配者が小学生のころは子ども神輿があって、田無の境まで担いで行き、花小金井の踏切のところから引き返してきたという。そして、子どもたちにはお菓子が配られ、大人たちは神社の前で酒宴を開いていたという。その当時は武蔵野神社の祭りよりも多摩野神社の天王祭のほうが賑やかだったという。