神明宮小川睦会

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 小平で最も範囲が広く、神輿渡御の距離が長い小川では、祭りの際にも多くの人手が必要となる。神明宮を支える小川睦会は、現在(平成二十一年現在)は会員約四百五十人、十七、八歳以上の男性で結成され、女性の会員もいる。八雲祭に欠かすことのできない小川睦会であるが、会員は十年前ぐらいから減少傾向にあるという。
 小平の祭りには人が乗れるほどの大太鼓が登場する(図6-21)。このような大太鼓をたたくのは多摩地区のみである。八雲祭では御先拂として大きな太鼓が先導するが、このとき太鼓に上がることができるのは小川睦会の会員に限る。以前は一回り小さな太鼓であったため乗ることができなかった。今では五人まで乗ることができるが、実際は三人が乗り、危険防止のために体をロープで固定している。
図6-21
図6-21
上に人が乗れるほどの大太鼓 市域中央部(2009.4.29)

 八雲祭には各地の神輿愛好会の応援も欠かせない。神輿渡御は、応援に来る小平の各神社の睦会と他所の地域から参加する神輿愛好会の十七団体、それに小川睦会をあわせた全十八団体で行われる。外部から応援にくる団体と地元の氏子団体や小川睦会との連携は、祭りを滞りなく進めるためには非常に重要となる。もちろん地元団体の横の連携も重要で、八雲祭の中心的な役割を担う神社と氏子総代、小川睦会は、普段から暑気払いや忘年会を合同で開催するなどコミュニケーションをはかる努力をしている。
 小川睦会をはじめ各神社の睦会のメンバーは、その他の神輿愛好会や府中の太鼓愛皷会のメンバーを兼ねている場合が多い。一例をあげよう。図6-22は、小川睦会と関東武蔵総社(太鼓愛皷会)のメンバーであるA氏、小川睦会と欅睦(神輿愛好会)、関東武蔵総社のメンバーのB氏の位置づけを示したものである。二人ともそれぞれの愛皷会の要職にあり、さらに府中市の大國魂神社の五・六之宮太鼓愛皷会の会員でもある。古くからの小平住民のなかには、かつては青年会の一員であると同時に、府中の太鼓講中の一員である者も多かった。現在ではそれが、前者は神社睦(たとえば小川睦会)の一員に、後者は太鼓愛皷会の一員へと変わったのであった。
図6-22
図6-22
八雲祭関連団体の関係の一例