図6-33
町民祭での民謡流し 仲町(小平市立図書館所蔵 1959.5)
その後、昭和二十八年には文化展と産業展が十一月二十日過ぎに開催されるのに対し、体育会だけは寒さを考慮して時期を早め、十一月十五日となった。町民体育祭は昭和三十一年から三年間は中止されたが、昭和三十四年には復活している。このときから体育会の開催は春に変更され、五月上旬に開催されるようになった。一日で終わるのではなく、競技によって日程が異なり、五月三日~十七日という実に長い期間で開催された。
第三回の町民文化祭からは文化展覧会と産業展覧会、体育会の種目の詳細が町報に掲載されている。なかでも、産業展覧会は農業地帯としての小平の特徴を示している。産業展覧会は「農産物品評会」「農業資料展示会」「農業相談所」「町内産業展示即売会」に四区分される。各区分の中身は以下のようになっていた。
農産物品評会:主要食糧、蔬菜、果実花卉、農産加工品、鶏卵、小家畜、苗木、その他参考品
農業資料展示会:農薬と病虫害、西瓜・トマトの栽培技術、農家生活改善に関するもの、花卉栽培法、機械化農業、有畜農業、肥料
農業相談所:農事相談町内産業展示即売会:農業協同組合関係、商工会関係、各事業所営業所関係
農業資料展示会:農薬と病虫害、西瓜・トマトの栽培技術、農家生活改善に関するもの、花卉栽培法、機械化農業、有畜農業、肥料
農業相談所:農事相談町内産業展示即売会:農業協同組合関係、商工会関係、各事業所営業所関係
農産物品評会のなかでも蔬菜(そさい)は種類も多く、小平で生産される野菜の傾向がわかる。農業地帯の小平らしく農業従事者にとってより身近で参加しやすい工夫がなされていたともいえよう。さらに、農業資料展示では「農家生活改善に関するもの」として、食品加工や保存食、衣服の改善、作業改善等があげられている。ちょうどこの頃は、前述したように農家の生活改善や新生活運動が展開され始めた時期と重なっている。町民文化祭には農家の日常生活が反映されていた。そして、農業従事者以外の人々や生活改善によって余暇時間を生み出した住民がその成果を文化展覧会へと出品することになる。