旧来の社会教育団体

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 戦後になると公民館の設置が奨励され、昭和二十四年六月に社会教育法が制定された。しかし、それより早く小平町では公民館が小平中学校に併設され、学校や役場職員が公民館の職員を兼任するかたちで公民館活動が始まった。併設の不便さは各地域に出かけていくことで補った。設置時期の早さだけでなくその機能性からも、小平町の公民館は全国的にみても公民館設置の草分的な存在であった。学校教育とは別のかたちで現実の生活に即した教育を目的として、新制中学を卒業し高校に進学しない者を対象として公民館での社会教育活動は盛んになっていった。
 新しい住民が増加し生活環境が変化するなかで、よりよい暮らしを求めていくのは自然なことであろう。公民館活動が盛んであった小平は、昭和三十年前後から後に設置される青年学級や成人学級等の社会教育団体についての議論が始まっていた。ここではそれらの活動を中心にとりあげていくが、ひとまず昭和二十九年の時点でどのような社会教育団体が存在していたのか示しておく。以下は当時の公民館に連絡があった団体で、公民館だよりに記載されたものである(「町報」昭和二十九年八月二十五日)。
地域青年団体:小平町青年会、新友クラブ、坂北自治会青年会
地域婦人団体:小川一番組婦人会、小川二番組婦人部、小川三番組主婦の会、小川第五婦人会、小川第六睦婦人会、平和婦人会、小川新田下組婦人会、泉婦人会、野中四組婦人会、堀鈴木婦人会、中宿会婦人部会、花小金井町会婦人部、旭丘さつき会
その他の地域団体:野火止文化会
P・T・A:小平第一~第三小学校PTA、小平中学校PTA、小平町PTA連合会
文化趣味研究団体:むさし野会、イソップ・クラブ、小平町農業技術研究会、小平町花卉団体研究会
体育団体:小平町陸上競技クラブ、小平町軟式野球連盟

 このように、青年会や婦人会、学校といった地縁を基にした団体が中心であったことがわかる。なお、青年会とは、戦後新制中学の卒業生から二十五歳までの男女で構成される「小平町青年会」である。その後、昭和三十年になると、「地区成人学級」と「地区青年学級」の設置を計画していることやその内容が、「青年学級の栞」と題して町報に示されている(「町報」昭和三十年六月三十日)。成人学級は育児や時事問題等のように生活につながっているもので、ひとつの講座は三日以上で合計十二時間以上であること、青年学級は青年の基礎的な能力や自分の問題や悩みを解決する態度を養うもので、原則として一年間続け、三十時間以上であること、とある。このような段階を経ながら、次に示す公民館活動の一環としての青年学級や婦人学級の活動が始まっていった。