御嶽講

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 御嶽講は東京都青梅市の御嶽神社まで代参しに行く講である。小平で一番よくみられる講で、止めてしまったり簡略化してしまったりした講もあるが、現在も旧小川村、旧小川新田、旧上鈴木、旧下鈴木、旧大沼田新田、旧回田新田地域の各所で続けられている。講は各旧村で一つというわけではなく、旧村のなかにいくつも結ばれている。御嶽山は作の神様であるといわれ、農家の崇敬を集めていて、講員のほとんどは江戸時代から住み続けている旧家である。小平の御嶽講の多くは江戸時代から続いており、大沼田の御嶽講にいたっては、結講百五十年の記念碑を御嶽神社参道に建てている(図7-2)。

図7-2
結講150周年記念碑 青梅市御嶽神社境内(2010.12.28)


 代参は、だいたい多くのところで四月中に行っている。そして代参から戻ってきて数日後にお日待をしている。また、年末には御嶽山から御師(おし)がやってきて講員に御札を配っていく。各講には世話人になる家があり、これを講元と呼ぶ。自動車がなかった時代までは、御師は講元の家に泊まりながら、近隣の各講を祈祷して回っていたという。例えば、回田の御嶽講では、御師が十二月に講元の家にやってきて、講員から元旦祭の申し込みを受けて護摩(ごま)を焚く。それが終わると、翌日には回田のもう一軒の講元を回って行く。
 代参先でいただいた御札には、各家で納めるもの、集落の境に立てるもの、小祠に納めるものがある。写真は、家の戸口に貼られたお札(図7-3)、小川一番組の境に立てられたお札(図7-4)である。

図7-3
戸口に貼られた御嶽山のお札 小川町(2010.4.12)



図7-4
村境に立てられた御嶽山のお札 小川三叉路(2010.4.19)