今でもオカマノダンゴをしている家の例を紹介しよう。この家では、オカマサマには三十六人の子どもがいるので団子を三十六個、さらにオカマサマに付いていく馬方の分の二個を余分に作って、計三十八個を旅立ちの土産としている。一升枡に南天の葉を敷き、その上に団子を入れてオカマサマに上げ、手打ちのうどんも上げて灯明をあげる(図7-17)。この家ではかつては十一月十五日のオカマの中帰り、同月三十日のオカマの帰りにも神棚にうどんと灯明をあげていたが、現在では簡略化してしまったという。
図7-17
オカマノダンゴ 上水南町(2010.10.31)
オカマノダンゴ 上水南町(2010.10.31)