組、組合、大組

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 組とは、小川の場合、小川何番と数字で示されていた家々のかたまりを示し、八番まである。これは前述したように、小平神明宮の氏子の構成単位でもある。元禄十三年(一七〇〇)の「小川村明細帳」には、村に組頭が十人いたことが示されており、正徳三年(一七〇六)になるとそれが九人に減り、享保十九年(一七三四)には八人となっている。地域内が八つに区分されたのはこのころからになるのだろうか。なお、『小平市三〇年史』によれば、「昭和十一年事務概要」に拠って、小平全域に二十五の組があったとしている(図8-5)。
図8-5
図8-5
小平の組の概略(『小平市三〇年史』より)

図8-6
図8-6
小川一番の組(『小平町誌』より)

 また、言葉が交錯してややこしいのだが、組の中で、その家にとって両隣向かい、サシバ以外の家々を大組と称した。これも家によってどの家々が大組の範囲となるのかは異なってくることになる。さらに、組合とは、江戸時代の五人組を踏襲しているつながりを指すという。ただしひとつの組合が必ずしも五軒構成とはかぎらず、十軒近い組合もあるが、これは固定したつながりになる。この組合は付合場(つきあいば)とも呼ばれていた。ただ、これは結果として両隣向かい、サシバなどを含むことが多い。
 表8-2に『小平町誌』所収の社会組織についての概略表を示した。これはあくまで目安としての表現にもとづいたものではあるが、この表からわかるように、こうしたつながりがもっとも重層しているのは旧小川村になる。こうした組織は、小川村の開墾定住があるおちつきをみせ、また村を構成する家々がある程度安定してきた時期以降に成立したものであろう。ことに制度にもとづく家々の区分でなく、互助的な自治組織になると、その成立時期の判断は明確にはできにくい。
 
表8-2 『小平町誌』に示されている市域旧村部の社会組織概要一覧
組織12345678備考
区分両隣り向こう(両隣り)組合五軒組差場番組大組袖組講中
小川範囲一つの家を底辺の中心とした三角状を呈し移動性を有する固定一つの家を中心として移動性を有するがある程度限定される固定固定固定4は番組によって存在しないところもある
目的日常的行政的日常的日常的行政的宗教的日常的
形成自然的所与的自然的所与的所与的自然的所与的
小川新田範囲一つの家を底辺の中心とした三角状を呈し移動性を有する固定付合場の中から自分の属する①を引いたもの(下)固定固定(上)(上)…上組の場合(下)…下組の場合3=8(上)
目的日常的行政的日常的行政的宗教的
形成自然的所与的自然的所与的自然的
大沼田新田範囲一つの家を中心とした直線状を呈し移動性を有する固定固定
目的日常的行政的行政的
形成自然的所与的所与的
野中新田範囲一つの家を中心とした三角状を呈し移動性を有する固定*不定固定固定北野中の場合の例
*主として親類の中でことに親しい家
目的日常的行政的日常的行政的宗教的
形成自然的所与的自然的所与的自然的
鈴木新田範囲一つの家を底辺の中心とした三角状を呈し移動性を有する固定限定固定固定1の場合もっとも付合の密接な隣家を“いちどなり”という
目的日常的行政的日常的行政的宗教的
形成自然的所与的自然的所与的自然的
回田新田範囲一つの家を中心として移動性を有する固定固定
目的日常的行政的日常的
形成自然的所与的自然的