水にかかわる地域の共同作業で、多少形を変えながらも、現在も受け継がれているものは、いわゆる「沼さらい」、用水の清掃作業である。これは戦前から、梅雨に入る前に行っていたが、今は毎年五月頃刊行される市報に、これについての連絡記事が載る。かつて子どもたちにとっては、干された流れでギバチ、ハヤなどをつかみとる楽しみの日でもあった。現在、この用水とその土手は市有地となっており、市が謝礼を出し、自治会と農協各支部の協力をあおいで清掃を行っている。そのため五月中旬の数日間、用水の水が止められ、底にたまった泥を出して用水を掘り下げ、またゴミなどを除く作業が行われる。基本的には、その組内をながれる用水は、その組内の人手で行うのだが、それ以外の人たちも担当を受け持ち、これに参加している。現在の区域分けとその担当の概略を図8-14に示している。
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図8-14 用水掃除の地区分担図 |
①小川一番(自治会)と農協小川第一支部 ②同二番と同第二支部 ③小川三番と同第三支部 ④小川四番と同第四支部 ⑤小川五番と同第五支部 ⑥小川六番と同第六支部 ⑦小川七番と同第七支部 ⑧小川八番と同第八支部 ⑨仲町二と同仲町第一支部 ⑩仲町下と同仲町第二支部 ⑪天神町と同天神町支部 ⑫野中東と同野中東支部 ⑬美園町と同大沼第三支部 ⑭大沼町上北と同大沼第四支部 ⑮大沼町下と同大沼第一支部 ⑯上鈴木と同上水本町支部 ⑰山家と喜平町支部 ⑱堀野中と同上水南町支部 ⑲回田町と同回田町支部 ⑳鈴木一丁目と同鈴木第一支部 21鈴木町二丁目と同鈴木第二支部 22花南一、二、三、長久保と同花小金井南町支部 a~gはその地点にある工場や会社が実施。この図には明記できなかったが、このほかにも同様に会社が実施している場所が八か所ほどある。それ以外は市の建設事業所用水班が担当(昭和59年の小平市の「沼ざらい」資料より作成) |