道の名称

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 小平市に住んでいる人にとってはすっかり見なれたものとなり、日常の景色のなかにとけこんでいるものも、そのひとつひとつを見ていくと、宅地化、都市化にともなって生まれたものが少なくない。
図9-18図9-18図9-18図9-18
図9-18
道標。歴史的な呼称が付されたもの、新しい名称のものなどさまざま(左から)小川町(2012.4) 仲町(2010.4) 学園東町(2011.4) 大沼町(2010.4)

 そのひとつに道路名を示す白いポールの標識がある(図9-18)。そのなかには、「鎌倉街道」といった小川村開村の時代よりも古い時代の道の名称が記されているものもあれば、「たかの街道」、「東京街道」といった、かつてのお鷹道(尾張藩の鷹狩りの道。ひらがな表記となったのは、「鷹」の字が当用漢字ではないためという)や、江戸街道であった道の性格を反映しているもの、「鈴木中通り」、「回田道」といったかつての新田村の名を冠しているもの、また、「山家通り」、「山王通り」のように往時の地名が付されているものなど、この土地の歴史を伝えている例もあるのだが、その多くは、宅地化、都市化の進展とともに新しく造られた施設にもとづく名称のものが多い。その様子を図9-19に示したが、たとえば「美大通り」、「六小通り」、「小川西保育園通り」、「小平高校通り」など。
図9-19
図9-19
小平市の道路愛称。(小平市の資料より作成)本文参照

整理番号道路愛称名整理番号道路愛称名整理番号道路愛称名
1松の木通り48仲町通り96花小金井北公民館通り
2中島通り49霊園通り97恵泉通り
3ぐみ窪通り50あかしあ通り98花小通り
4栄町通り51小平駅東通り99上水中学通り
5野火止通り52回田道100上宿小通り
6十三小通り53七小通り101上宿小東通り
7元中宿通り54多摩の台通り102B・S中央通り
8小川西保育園通り55六中通り103上宿公民館通り
9新中宿通り56野中通り104上宿図書館通り
10中宿通り57東京街道105学園郵便局西通り
11富士見通り58野中東通り106科学館通り
12小川駅西通り59大沼通り107二ツ塚西通り
13二中通り60大沼保育園通り108旭ヶ丘中通り
14小川駅東通り62十一小通り109小平南高東通り
15緑川通り63学園東通り110ひめゆり保育園通り
16六小通り64平安通り111花小金井第一住宅通り
17小川東町通り65学園坂通り112大沼本通り
18鎌倉街道66一中通り113東ガス西通り
19新小平西通り67あかしあ東通り114十一小西通り
20新小平東通り68山家通り115学園東小南通り
21萩山通り69国交大通り116警察学校北通り
22みなみ台通り70天神通り117学園東小西通り
23十二小通り71鈴木西通り118大仙寺東通り
24大けやき道72三中北通り119市役所東通り
25美大通り73東たかの道120平安窪通り
26五中通り74九小通り121鈴木地域センター通り
27水車通り75三中通り122東部公園通り
28一小通り76鈴木中通り123薬草園東通り
29山王通り77鈴木保育園通り124二中東通り
30四小通り78回田本通り125六小北通り
31警察通り79氷川通り126リサイクルセンター西通り
32たかの街道80回田中通り127一ツ橋大南通り
33たかの台本通り81花小金井駅前通り128小平南高北通り
34たかの台駅通り82鈴木街道129小平南高西通り
35津田保育園通り83せいぶ通り130田中館東通り
36学園郵便局北通り84小金井公園通り131小平高校東通り
37学園中央通り85桜上水本通り132喜平町桜通り
38一ツ橋北通り86サレジオ通り133天神地域センター通り
39一ツ橋通り87堀野中通り134御幸西通り
40四中通り88南堀野中通り135けやき通り
41玉川上水通り89十五小通り136こぶし通り
42十小通り90四小東通り137栄町中央通り
43上水本町通り91上水新町通り138栄町北通り
44市役所西通り92十四小通り139さくら公園通り
45農協通り93小平駅東栄通り140小川西グラウンド西通り
46小平高校通り94あじさい公園通り141花南一丁目通り
47松花通り95武蔵公園通り142花南公民館通り
なお61の「錦城通り」は平成15年4月廃止。これらの名称は昭和47年10月から平成15年4月にかけて設定されたものである。

 新しい施設や道が次々と造られ、また新しく住みつく人たちが年を追って増えていく状況のなかで、こうした道の名称も必要とされ、道標が次々設置されていったのであろう。小平市は、市制十周年記念の事業のひとつとして、昭和四十七年十月に、市内八十七の道の愛称を定めている。これらは基本的には、幅六メートル以上、延長三百メートル以上の主要道路で、歴史的価値の高い道路もしくは公の施設に関連する道路を該当対象とし、愛称を市民から公募している。なお、従来こうした道は、市で付けた路線番号で呼ばれており、「鎌倉街道」は俗称としては使われていたが、行政上の公称は「市道第三十一号線」であった。
 「東京都道路管理関係通達集」(昭和四十六年)をみると、昭和三十五年以降の十年余りの時期に、様々な道路標示に関しての通達が急増している。たとえば、通学道路標識(同三十八年)、住居標示案内掲示板(同三十九年)、消防水利標識柱(同四十二年)、路外駐車場案内標識柱(同)などの設置通知が出されている。東京都全体に多様な標識が出現し増加していく動きが、これに先行してあったことにもなる。