アパートと駐車場

715 ~ 717 / 881ページ
 暮らしの立て方が多様になった農家の姿の一端を、ある家の土地利用からみてみよう。図10-3は、青梅街道に北面したある農家の平成二十二年春の土地利用である。同家は、調査時に話をうかがった昭和八年生まれの男性の祖父(明治五年生まれ)の代に、飛地となっていた所有地の一部と交換する形で、母屋の後背農地を拡げており、経営面積はこの辺りでは広い部類に入る。
図10-3
図10-3
ある家の平成二十二年春の土地利用

 まず目に入るのが、地割のなかほどを東西に走る道路(r)を挟み、母屋から離れた北側で農業以外の土地利用が進んでいる様子である。この道路の開通をきっかけとして、それより奥から戸建ての住宅やアパート、駐車場への農地転用が進んだという。
 ①には最初に建てられたアパートが三棟あり、②にあるアパートはその後に建てられたものである。いずれもこの家が大屋となり経営している。戸建の住宅が並んでいる場所も、段階的に分譲地として転用され現在のような形になっている。
 宅地化された場所のほか駐車場もあり、道路(r)沿いの駐車場は農協に管理が委託されている。