さて図10-3の土地利用図に話を戻し、作付を見てみよう。道路(r)の近くには、栗や柿(図中では「カキ」「クリ」)が多い。その樹間の一部には敷ワラに用いるライ麦が植えられている。栗の脇には溝が掘られており、栗の落葉や野菜くず(出荷後に残る茎や葉など)が肥料として入れられている。これは同時に、落葉が一般道に出ないようにするための配慮でもあった。
栗の南側には野菜が作られており、母屋にほど近い位置にトマトなどを育てるビニールハウスなどの施設を確認できる。また、小平市学童農園事業の一環で、小学生がトウモロコシやさつまいもを育てている一角もあり、商品作物の栽培とは異なる営みがみられる。小学生が体験学習をするのは栽培過程の一部であり、学童農園の作物の日々の管理はこの家の仕事になる。
母屋に近い畑はウチゴと呼ばれ、母屋の背後から北に向かって伸びる作業道(ハラミチ)の縁には、土留めも兼ねてニラが植えられている。