母屋の背後等に残されている竹は、霜よけや支柱に使われることがある。図10-25は小松菜畑の霜よけ用のマダケである。十二月に小松菜を植えると、暮れに霜よけを立てる。使う竹は、一年目のものは柔らかく折れやすいため、二年以上生長したものを使う。霜よけに使った後は、枝を落として、トマトの手(支柱)に使われた。マダケの代わりにシノ(篠竹)も霜よけに立てられたが、シノは細いため、マダケよりも多く並べる必要があった。葉が多いマダケは風をよく防ぐが、その分日陰ができ育ちが悪くなることもあり一長一短であった。この霜よけにムクドリなどの鳥がやってきてとまってしまい、あるいは畝にかけられたトンネルの中に入って、出られなくなって歩き回ってしまうこともあった。
図10-25
小松菜畑にたてられた霜よけ 小川町(2009.3)