商人への売却が市場出荷以外の販売方法の中心を占めていた昭和三十五年から現在に至るまでに、販路の選択肢は増えてきている。例えば、植木、盆栽、芝の注文販売、スーパーマーケットや生協、学校給食への契約出荷などがみられるようになっており、平成五年時には、市場出荷以外の販売方法が小平における主な出荷先の過半を占めている。これらの販路に対する農家の姿勢には、一方で図10-28に示したとおりある程度の地域差も認められる。
| 表10-7 庭売り直売 品目一覧 | |
| 品目 | 戸数 |
| 野菜 | 88 |
| 梨 | 34 |
| 栗 | 16 |
| ぶどう | 6 |
| 花キ | 6 |
| キュウイ | 4 |
| 柿 | 4 |
| うど | 3 |
| ブリーベリー | 3 |
| りんご | 2 |
| 梅 | 2 |
| いちご | 1 |
| ブラックベリー | 1 |
| プルーン | 1 |
| 卵 | 1 |
| 植木・盆栽 | 1 |
| 「地区別・品目別直売農家数」(小平市『小平市都市農業基本構想―市民の豊かな食生活と農のある快適なまちづくりをめざして』1993年、19頁)より作成 | |
非出荷販売のなかでも、とくに広く営まれるようになったのが、各家の営農状況に応じて販売品目・価格・数量を自由に設定することができ、また流通にかかるコストをおさえられる庭売り直売である。庭売り直売とは農家が自らの敷地内で、消費者に直接農作物を販売することで、日常生活の中では「直売」「庭先」「庭先販売」と呼ばれている。野菜のほか、梨、ブドウ、植木、クッキーや漬物まで、庭売り直売で取り扱われる品物は多岐にわたる。平成五年の主な品目を表10-7に示したが、庭先販売に携わる百五十六戸のうち半数強の家で野菜が販売されており、それに梨と栗が続いている。
以下、小平における非出荷販売を代表するこの庭売り直売の様子をみていく。
