図11-5 小川神明宮の八雲祭での鈴木囃子。小平市東部で(2010.4.28) |
かつては、昇殿、屋台、宮昇殿、屋台、鎌倉、国固め、攻め、四丁目(しちょうめ)、屋台という流れで構成されていたという。現在は、まず、打ち込みと称して先バチだけで十四音打ち込んでから、屋台(約三分。笛、太鼓、鉦で音調を整える)、鎌倉(約二分。笛と大太鼓が中心。テンポが遅く、比較的静か)、国固め(約一分。ややテンポが速くなる)、攻め(約一分。さらにテンポが速まる)、四丁目(約五分。最も賑やかなところ)、屋台(約二分。テンポやや早目)と展開することが通常であるという。そしてこのなかにニンバというリズムを組み入れる。そして、獅子やキツネ、ひょっとこの舞が加わる。なお、平成二十三年には、かつて演じられていた宮昇殿が保存会の青年会員によって復元されている。
なおこのほかに「よ組ばやし」という囃子連があり、小川の日枝神社や小平神明宮の祭礼などに参加している。これは昭和五十三年に小川町の新井栄吉氏と四番の人たちが中心になってたちあげたものになる。同氏は瑞穂町で重松囃子を習得し、子どもたちに伝統芸能の魅力を伝えようとこの囃子連をつくった。現在大人十五人、子供十人の構成で、地域の集会所で練習に励んでいる。
図11-6 昭和32年頃に撮影された祭具。踊りの面 飯山達雄氏撮影・寄贈 小平市立図書館所蔵(1957年頃) |
図11-7①~22 『小平市無形文化財 鈴木ばやしお手本』より ・お手本の白丸は「右手で強く打つ」、黒丸は「左手で強く打つ」を意味する。 ・印なしは、「太鼓の面にさわる程度」で、これをキザミという。 |