その死亡した長男は、私の兄が大沼田の青年分団長だったので、夜役員会の時には家に来たのを覚えている。(注8)
〔注〕
(8)これは私が六つの時のこと。この長男は結核で亡くなった。ふつうの家では葬式に花輪が届くようなことはないのだが、名主の家なのでふたつ届いていた。お寺の本堂の正面に仏さまが安置されていて、花輪はその左手の畳の上に置いていた。花輪は前に二つ後に一つ足が出ている三脚の形で、これが歩き出したという。お坊さんがもどしてもまた歩いたという。これを見た尾崎直次郎さん-当時十六歳-は二〇〇八年の五月に亡くなった。
(8)これは私が六つの時のこと。この長男は結核で亡くなった。ふつうの家では葬式に花輪が届くようなことはないのだが、名主の家なのでふたつ届いていた。お寺の本堂の正面に仏さまが安置されていて、花輪はその左手の畳の上に置いていた。花輪は前に二つ後に一つ足が出ている三脚の形で、これが歩き出したという。お坊さんがもどしてもまた歩いたという。これを見た尾崎直次郎さん-当時十六歳-は二〇〇八年の五月に亡くなった。