村の地割と地割絵図

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大沼田新田には、元文検地の際に同時に作成された地割絵図(ちわりえず)が存在する(図1-41)。絵図は新田の地割を描き、土地を所持する百姓ごとに地番なども記入したもので、用水路も描かれている。この絵図は、本村大岱村の當麻家と新田の當麻家の両家に残されていたものである。本村當麻家の絵図には着色があり、新田當麻家の絵図には着色はない。新田で保存されていた絵図は写と考えられよう。

図1-41 大沼田新田の地割絵図
享保21年3月「(大岱新田地割絵図)」(『當麻勉家文書目録』口絵)より作成。
(東村山市當麻勉家文書)

 地割絵図のほぼ中央には、東西を貫く「江戸街道」に沿って、南北方向に短冊型の地割が描かれている(図1-41の②部分)。また村の北東部は街道に沿うかたちではないものの、地割の形状はある程度、判断可能なものに描かれている。一方、これらの地割よりも狭小な単位で描かれているのが、村の北西部の地域である(同①部分)。この地域も「所沢道」などの道に沿うかたちで短冊型に地割がされているが、江戸街道沿いの地割とくらべて細かな地割りであり、これにともなって名請人も多い。