地目の特徴

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廻り田新田の地目構成を図にしたのが、図1-47である。特徴的なのは屋敷地がないことで、廻り田村の秣場獲得開発を目的にされた廻り田新田では、開発開始から一〇年を経た元文検地の段階にいたっても、廻り田新田に屋敷を建てて居住する者は皆無だったのである。地目を構成するのは中下畑(ちゅうげはた)・下畑(げはた)・野畑(のはた)・林畑(はやしはた)の四種である。うち、最も地目の等級が高い中下畑は六反九畝六歩、三石四斗六升と、面積で一・七%、石高で三%を占めるにすぎない。なお、中下畑はすべて「古新田境」であり、玉川上水北側には中下畑は存在しない。ついで等級の高い下畑は一二町五畝九歩、四八石二斗一升二合と、面積で約三割、石高で四五%を占める。以上の中下畑・下畑では、「畑」として何らかの生産がされたと思われるが、面積にして廻り田新田の残り七割を占めるのは、野畑と林畑である。野畑は一五町一反五畝一五歩、三〇石三斗一升と、廻り田新田の約三七%の面積を占め、林畑は一二町七反五畝三歩、二五石五斗二合と、約三一%の面積を占めている。野畑は芝地、林畑は林であり、いずれも開発の手が入らず、秣場として残されたまま、高請けしたものと思われる。このように、廻り田新田は、小平市域の武蔵野新田のなかでも、最も秣場としての性格を色濃く残した新田であった。

図1-47① 廻り田新田検地地目比(反別)


図1-47② 廻り田新田検地地目比(石高)