伊奈友之助忠富

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小平市域を最初に支配した関東郡代付代官は、伊奈忠富(いなただとみ)である。伊奈姓だが、半左衛門家とは異なり、伊奈氏初代忠次(ただつぐ)の四男兵蔵(へいぞう)の家系であり(半左衛門家は忠次の次男忠治(ただはる)の家系)、半左衛門家の後継ではない。忠富は兵蔵から四代後になり、宝暦一一年(一七六一)に、父忠易(ただやす)の死に際して跡を継ぐ。寛政四年(一七九二)から関東郡代付代官となり、伊奈半左衛門の旧支配地域のうち、多摩地域周辺五万石ほどを支配する。この時から、小平市域では小川村・鈴木新田・野中新田両組・大沼田新田を支配することになる。
表1-44 近世後期支配代官一覧表
代官名支配期間小川大沼田廻り田前歴後歴家禄備考
野田元清1790.4~1801.2勘定組頭死去70俵5人扶持江戸廻り
伊奈忠富1792.3.13~1813.3.26書院番死去200俵馬2
早川正紀1801.10~1808.10勘定死去100俵5人扶持江戸廻り
榊原長義1808.11~1809.3.23書替奉行死去300石預り
浅岡直澄1808.11~1809.3.23腰物方死去250俵預り
篠山景義1809.3.23~1810.3評定所留役勘定吟味役100俵江戸廻り
川崎定安1810.10~1813.10.24見習い死去150俵江戸廻り
大岡孟清1813.10.24~1821.6.4勘定死去100俵江戸廻り
小野田信利1813.閏11.26~1821.1.19小普請老免200俵馬2
中村知剛1821.1.19~1823.11.18勘定二丸留守居30俵3人扶持馬2
1821.1.19~1841.3.28馬2
江川英毅1823.11.18~1835.1.20小十人死去150俵韮山
田口喜古1830.12.28~1832.10.8勘定組頭死去30俵2人扶持江戸廻り
林政幸1832.10.8~1832.10.29腰物方老免311石預り
山本雅直1832.10.8~1832.10.29西丸小姓組番二丸留守居603石9斗預り
1832.10.29~1841.4.15江戸廻り
1841.3.28~1842.7.28江戸廻り
*『寛政重修諸家系譜』、小川家文書、斉藤家文書、當麻家文書、当麻伝兵衛家文書、西沢淳男編『江戸幕府代官履歴辞典』などより作成。
*小川新田・鈴木新田・野中新田両組は史料が少ないため略してあるが、この間、小川新田は基本的に廻り田新田と同様、その他の新田は大沼田新田と同様と考えられる。
*馬2は馬喰町御用屋敷詰代官のうち第2系統を指す。