目次
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第二章 村がなりたつ-一八~一九世紀の村-
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第四節 人びとのくらしとつながり-家族と生活-
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2 家と家族
家名の継承
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大沼田新田の彦兵衛家には三人の息子がおり、長男の久蔵が文政一二年(一八二九)、一九歳で当主となり、「彦兵衛」と改名していた。しかし、天保五年(一八三四)、二四歳で彦兵衛が家出をした。一方、次男の弥蔵は他所へいっていたものか、「帰住」、すなわち村に帰ってきた。三男の政五郎一六歳は他村へ引き取られた。翌年、次男弥蔵が家を継ぎ、「彦兵衛」を名乗った。家名を受け継いでいく象徴的な事例である(図2-24)。
図2-24 彦兵衛家系図
大沼田新田の宗門人別帳より作成。