さらに、当地の人びとの信仰を考えていくうえで、以下の二点にも留意しておきたい。第一に、当地は、近世に大規模な開発がなされ、多くの人びとが入植してきたことにより、他地域の寺社などへ信仰をもった人びとが、当地に集住したことである。第二に、当時の人びとは地域に存在する寺院・神社などばかりでなく、遠隔地や多摩地域、さらに江戸の寺社との繋がりをもっていたことである。
二つの点は相互に関連しあうが、当地にはそれに関したさまざまな史料(資料)が残されている。まずは現在でも小平市域に立地している石造物などを取り上げながら、人びとの信仰心に迫っていきたい。