小川分水の分水口

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玉川上水に取り付けを許可された小川分水の取水口は、一尺四方であった。この取水口には水門が設けられており、戸板を上下させることで取水量の調整ができるようになっていた(図2-53)。また、小川分水と同様のものと思われる大沼田新田用水の水門施設は、高さ九尺(約二七三センチ)、幅六尺(約一八二センチ)ほど、栗材で作られており、やはり高さ一尺七寸(約五一・五センチ)、幅一尺三寸(約三九・四センチ)の戸板を上下させることで、取水量を調節していた(図2-54)。小川村では、渇水などによる分水口閉鎖(取水制限)時に、勝手に戸板を動かし分水口を開ける者が続出したためか、元禄一四年(一七〇一)に錠前の掛かる水門が設置されるが、その後も、錠前をはずして勝手に分水口を開けようとする者がいた。

図2-53 小川分水分水口・水門
肥留間博『玉川上水』p.143の図を転載。


図2-54 大沼田新田用水分水口・水門
弘化3年2月「御上水北側当村分水埋樋修覆自普請出来形帳」(史料集24、p.87)の図を転載。