小川新田の分水

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小川新田は、小川村持添分(もちぞえぶん)と出百姓分(でひゃくしょうぶん)という、大きく二つの区域からなっており、人が居住していたのは後者である。出百姓分の中は、さらに三つに分かれるが、現在の仲町にあたる、青梅街道(おうめかいどう)の両側に沿った地区と、現在の喜平町にあたる「山家(さんや)」地区に、人(出百姓)の住む集落があった(第一章第二節2)。村明細帳には小川新田の飲料水について、「小川村呑み水残水を呑み水に相用い候につき」、すなわち、小川分水の残水を飲料水として利用していると書かれている(史料集一、八六頁)。しかし、小川分水を延長して、その残水を利用できるのは、小川村に隣接する青梅街道沿いの集落だけであり、さらに南にある山家地区の集落では困難である。とすれば、山家地区に住む百姓たちは、どのようにして、生活に不可欠な水を入手していたのだろうか。