目次
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第二章 村がなりたつ-一八~一九世紀の村-
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第七節 権利をめぐって-争論と訴訟-
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3 村境をめぐる争論-文化期の村境争論-
新田村の文書と争論
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ところで、村境争論では享保期の新田開発や元文検地帳に記された割地のあり方が、吟味の判断材料となっていた。廻り田新田は、証拠となる書類が野中新田にも存在すると言うなど、他村の文書でありながら、自らの村にも関係する文書の所在とその内容を認識していた。すなわち、享保期の新田村成立時の状況は、同じ事情で成立した周辺の村々のなかで共有され、村ではそれを理解したうえで、争論における証拠として文書を活用していたのである。