小平市は、明治二二年四月に、小平村が誕生してから一二三年になります。この間、昭和や平成の大合併が実施され全国の自治体数が大幅に減少しましたが、昭和一九年二月に町制を、昭和三七年一〇月に市制を施行し、本年(平成二四年)市制施行五〇周年を迎えました。
 この市制施行五〇周年に向けて市では、「小平市制施行五〇周年の基本的捉え方と記念事業の編成方針」を定め、記念事業の編成を進めてきました。事業推進の基本には、地域社会が元気で活性化し、市民一人ひとりが、受け身ではなく積極的に地域社会を作り出していく気概をもってほしい。また、ふるさとである小平に愛着や親しみを感じてもらえる市民が増えてほしい、という願いを込めて取り組むことといたしました。また、記念事業の実施に当たっては、「あゆみ」「きぼう」「いぶき」の三つのテーマを挙げ、「あゆみ」の中心となる事業に市史編さん事業を位置付けました。
 このたびの市史編さん事業は、単にこれまでの歴史を振り返り検証するというだけでなく、小平の風土や地域特性を明らかにすることによって、現在の小平を見つめ直すことの大切さ、そして、その上で、小平に暮らし住み続けるために私たちは今何をなすべきなのかを考え、今後の五〇年、一〇〇年を展望する上で重要なチャンスとしていきたいと考えております。
 さて、小平市では今までに自治体史の編さん事業を二回実施しています。最初は、昭和三四年に『小平町誌』を、二回目は平成六年に『小平市三〇年史』を刊行しています。これらの事業を踏まえ、本市史編さん事業に着手したのは、平成二〇年度でした。一〇月に小平市史編さん委員会を立ち上げ検討を開始するとともに、事務局に調査専門委員を置いて調査・研究に着手しました。実質的に四年間という短い期間に英知を注いで精力的に作業を進めていただき、それらの成果をまとめて、ここに『小平市史 近現代編』を刊行する運びとなりました。
 これも一重に、貴重な史料等の掲載にご協力をいただきました所蔵者・関係諸機関をはじめ、近現代編監修者としてご尽力いただきました大門正克小平市史編さん委員会副委員長、調査専門委員、および執筆者の皆さま方の意欲的な取り組みの賜物と存じます。この成果が今後広く市民に親しまれ活用されて、小平市の明日を拓く一助として活用していただけるものと期待します。
 平成二五年三月
             小平市長 小林正則