当然のことながら、農地改革は小平町の土地所有状況を大きく変えることになった。改革前の一九四六年四月時点における小平町の農地総面積は畑九九〇町八反九畝となっている。うち自作地五一六町六反四畝、小作地四七四町二反四畝で、農地の四七・九%が小作地であった。一方、改革実施後の四九年三月時点では、自作地八八二町八反九畝、小作地一〇〇町四反三畝となり、小作地の割合は一〇・二%に減少した(「農地等開放実績調査」)。田がほとんどなかった小平町では、農地買収の主な対象は畑となっている。小平における耕地利用の特質をよくあらわしていよう。
小平町の農家構成にも大きな変化がみられた(表5-1)。改革前に四五・二%を占めていた小作農は、改革後には一二・五%に減少し、自作農が二三・四%から五七・一%へと増加した。小平町の農家の大多数が自作地に経営の基礎をおく自作農・自小作農になったのである。なお、農家総戸数の増加は、農地改革の影響に加えて、復員・引き揚げ・帰村など敗戦後の人口増加・食糧不足を背景とした耕地分与や開墾によって新設された農家がみられたことに基因している。
表5-1 農家構成の変化 | ||||||
(単位:上段・戸、下段・%) | ||||||
年次\階層 | 自作 | 自小作 | 小自作 | 小作 | その他 | 計 |
1946年 | 192 | 104 | 114 | 370 | 39 | 819 |
構成比 | 23.4 | 12.7 | 13.9 | 45.2 | 4.8 | 100.0 |
1948年 | 630 | 228 | 66 | 138 | 41 | 1103 |
構成比 | 57.1 | 20.7 | 6.0 | 12.5 | 3.7 | 100.0 |
(出典)『小平町誌』1959年より作成。 |