津田塾大学生の平和意識

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この米軍機墜落事故にいち早く反応したのは、津田塾大学の学生であった。津田塾大学学生自治会は、「全三多摩の学生諸兄姉に訴える」とアピールを発表している(『一橋新聞』第五〇五号)。
 私達の住む小川に米軍将兵をのせた大型輸送機が離陸直後に墜落し〔中略〕百雷が一時に落ちた様な轟音、それと同時に窓ガラスのビリビリという音、すぐ近くの森の向こうからは黒煙がもく/\と立ち、消防サイレンの気味悪い響きをたてた怪自動車が続いてゆきます。寮生の一人が「原爆を積んだ飛行機でなくてよかつたね」と洩らしました。〔中略〕
 今迄何度となく聞かされた平和の危機と朝鮮戦争の残酷さ、そしてその朝鮮戦争とこの三多摩が直結していることが、この事件によって正に自分達のものとして身近に痛い程感じられたのです。日夜夜毎爆音に悩まされ、あのような惨事の恐怖に晒されている私達三多摩の学生として今こそ手をとり合って平和を守る運動に立上がろうではありませんか。

 津田塾大学の学生たちは、今回の事件によって、朝鮮戦争と三多摩が「直結」していることを知り、「平和を守る運動」に立ち上がることを呼びかけている。この呼びかけに対して、一橋大学小平分校の学生たち(小平自治会)は、「津田塾大学のアッピールに応えよう」と全学生に訴え、クラス・サークル・ゼミなどでの討論を喚起した。