一九四六(昭和二一)年一一月三日に日本国憲法が発布され(翌年五月三日施行)、天皇主権から国民主権への転換、戦争放棄を含む恒久平和主義、基本的人権の保障、三権分立などが明文化された。またこれらに並んで、新憲法では地方自治の原則が保障された。一九四七年四月一七日に公布される地方自治法では、地方公共団体の自立強化、行政執行の能率化・公正確保が基本方針として打ち出された。
一九四七年一二月に内務省が廃止され、同年同月に警察法が公布された(翌年三月施行)。すべての市、および人口五千人以上の市街的町村には自治体警察が設置されることとなった。これまで小平は田無警察署の管轄下にあって四つの駐在所(小川・喜平橋・野中新田・小川駅前)が存在していたが、町の自治体警察を設置することになり、一九四八年三月に小平警察署を開署した。
一九五一年六月の警察法の一部改正がおこなわれ、自治体警察を有するかどうかは住民の自由意思にもとづいて決定することとなった。背景として、市町村の財政窮乏、警備能力の低下などが問題となっていた。小平町議会では、同年八月の臨時会にて自治体警察存続か否かについて議論をはじめ、九月七日に廃止を議決する。廃止に至るその後の手続きは、住民投票をおこない、投票者の過半数の賛成を得る必要があった。九月二八日に住民投票がおこなわれ、賛成一五五一票、反対六六四(投票率二一%)で自治体警察の廃止が決定する。一〇月一日より、小平警察署は東京都国家地方警察田無地区警察署の小平警部派出所となり、小平町には五つの駐在所(小川・喜平橋・野中新田・小川駅前・小平学園)が設置された。
その後、一九五四年七月に新警察法が施行され、東京都警察である警視庁が発足する。東京都国家地方警察田無地区警察署は警視庁田無警察署となり、小平町は引き続き田無警察署の管内に位置づけられた。