ドッジ・ラインとシャウプ税制

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一九四八年一〇月に入ると、アメリカを中心としたGHQは、対日占領政策を非軍事化、民主化から経済復興を優先する政策へ転換する。一二月に経済安定九原則が発表され、インフレーションの収束、物価の安定が目指された。このデフレ政策を具体化したのがドッジ・ラインである。
 ドッジ・ラインによる物価安定政策を進めるために、一九四九年五月、アメリカから財政学者であるC・S・シャウプを団長とする税制使節団が来日した。国と地方ともに恒久的税制の確立を目指すことになり、一九四九年八月と五〇年九月にシャウプ勧告が出された。シャウプ勧告では、地方の税源を強化するため、国庫から地方へわたる交付金のあり方を見直し、国―県―市町村の各徴税行政責任を明確化し、財政力の弱い自治体を支える地方財政交付金制度が提起された。これらの内容は、一九五〇年の税制改革に盛り込まれることとなったが、制度運用の難しさから、一九五四年には現在の地方交付税制度に改められた。このもとで地方交付税率は、二二%(一九五五年)、二六%(五七年)、二九%(五九年)と上昇したが、義務教育六三制実施と人口増加をかかえた小平町では、ふくれ続ける学校建築費への財源確保が大きな問題となっていた。