女子大学のある町

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一方、国勢調査からは、六歳から二四歳の在学者数の年齢別構成を知ることができる。小平町に常住して、町内外の学校に在学する人の年齢構成であり、小学校在学の年齢に相当する六~一二歳、中学校・高等学校の一三~一八歳、大学・短大の一九~二四歳がわかる。この在学者数の年齢別の割合について、小平町、東京都、全国の動向を男女別に示した(図5-19)。

図5-19 年齢別在学者の割合

 ここで注目すべきは、大学・短大をかかえた小平町の動向である。小平町の一九~二四歳の割合は、男子一六%、女子一五%であり、全国の同じ年齢の割合が男子四%、女子二%だったのとくらべると、はるかに高かった。東京都の一九~二四歳の比率は、男子一五%、女子四%であり、男子の大学生の比率は小平町と東京都でほぼ同じであったが、女子の場合には小平町の割合が東京都よりもはるかに高くなっている。小平町と全国・東京都の一九~二四歳の割合をくらべた場合、全国・東京都では男女の割合に差があり、いずれも男子の割合が多かったのに対して、小平町の男女の割合はほぼ同じだった。全国・東京都とくらべて、小平町における女子の一九~二四歳の割合の大きさが確認できるのである。
 一九五〇(昭和二五)年の小平町には、一橋大学前期部と津田塾大学、恵泉女子短期大学があった。一橋大学前期部には大学一年生・二年生が通い、津田塾大学には学芸学部が置かれ、全国から集まった女子学生の多くは大学内で寮生活をしていた。一九四九年の津田塾大学の在校生は四四二人、それに対して一九五〇年の国勢調査が把握した小平町の一九~二四歳の女子学生は三四三人だった。小平町における女子の一九~二四歳の割合の大きさは、寮生活をする津田塾大学と恵泉女子短期大学の学生を反映しているものと思われる。女子大学のある小平町の特徴が国勢調査の結果にあらわれているといえよう。