新しい学びへの模索

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市制施行を間近に控えた一九六二(昭和三七)年四月、公民館は好評の「話し合い映画会」を広く一般から参加者を募る会員制の映画会に制度を変更した。希望者は通信費として年一〇〇円を添えて公民館に申し込み、開催の通知は「各個人」宛に送られるという手間のかかる制度となった(『小平町報』第九〇号)。婦人学級もまた、町内全域から参加者を募り、中央婦人学級として公民館で開催する新しい形式の学級で六二年九月からはじまった。中央婦人学級の開設は従来の婦人学級が「急速に発展する小平の現況では新しく移住して来たものには参加しにくい」という声にこたえたものであった(『小平町報』第九八号)。
 新しい中央婦人学級は参加者を「子どものしつけ」と「生活設計」の二つのグループに分け、問題を参加者同士で話し合い、学習をするものであった。しかし、中央に集めてグループ化することは「①講師がいない ②内容が散漫になりやすい ③参加者相互の交流がなく共同作業ができにくい」といった問題が生じ、「グループ化に成功せず」六四年度で開設をやめた(『公民館三〇年の歩み』)。
 戦後二〇年、急激な人口増と郊外化が進む小平町では、生活様式もさまざまになり、地域的なつながりも弱く、個人生活になりがちな都会の気配も漂っていた。戦後教育を受けた女性も多くなり、直面する生活の問題も変わっていくなかで、新しい学びの場が模索され、学ぶ課題も変わっていく。