増え続ける人口

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一九五五(昭和三〇)年一〇月一日、国勢調査が全国いっせいに実施された。調査の結果、小平町の人口は男一万五一七八人、女一万三九九七人、総数二万九一七五人であり、前回の一九五〇年の総数二万一六五九人に比較して八〇〇〇人近く増加している。
 一九五五年に高度経済成長がはじまり、東京二三区内での労働力需要が高まるとともに、東京郊外の人口も急ピッチで増加した。表6-2は、小平の男女各年齢層の人口増加率を東京都全体と比較したものである。小平における一五歳以上の人口全体の増加率は一九五五年から六〇年が一・九、六〇年から六五年は二・一で、東京都全体の動向一・二~一・三をはるかに越えている。人口総数は、一九六〇年に五万二九二三人とほぼ倍増、市政施行後の一九六五年には一〇万五三五三人と、さらに倍増している。
表6-2 15歳以上5歳階級別男女別人口増加指数
 1955~60年1960~65年
小平市15~192.11.92.32.2
20~241.71.72.32.2
25~291.82.12.02.1
30~342.32.02.12.2
35~392.02.12.32.1
40~441.91.81.92.1
45~492.01.81.71.9
50~541.72.02.02.0
55~592.11.71.82.0
60~641.81.71.91.9
65~691.61.71.61.7
70~1.71.81.81.8
全体1.91.92.12.1
東京都15~191.41.41.01.1
20~241.31.31.21.2
25~291.41.31.11.1
30~341.41.31.21.2
35~391.31.31.41.2
40~441.01.21.21.2
45~491.21.31.01.1
50~541.11.21.11.2
55~591.21.31.11.2
60~641.31.31.21.2
65~691.31.21.31.3
70~1.41.31.31.2
全体1.31.31.21.2
(出典)国勢調査結果より作成。

 人口増加にともなって宅地の面積は一九五一年の全町の一五%から六二年には三二%に増加している。都営住宅は五五年から六二年にかけて二八〇〇戸つくられ、社宅や官公舎などの建設も続き、一九六〇年には、喜平町に一六〇〇戸余りからなる日本住宅公団小平団地が建設された(『小平市三〇年史』)。高度経済成長期の小平は、近郊農村の風景からベッドタウンの様相へと一変した。一方、宅地化と並行して、小平には行政の積極的な企業誘致もあって工場が進出してくる。一九五八年の株式会社日立製作所武蔵工場、六〇年のブリヂストンタイヤ株式会社東京工場などである。市制施行時の一九六二年には資本金五〇〇万円以上の企業が二四を数える。製造所の事業所数は、一九五四年の三七から六三年には一一二となって、約三倍に増加した(「高度成長期、小平に若者がやってきた!」)。