ファミリーの町

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小平の人口は、青年層に限らず、二〇代後半から三〇代後半までの若年層でも増加していることが特徴である。男女ともに一九歳から二五歳までの青年層と二〇代後半から三〇代後半までの若年層で人口の大半をしめ、その数は、一九五五(昭和三〇)年は一五歳以上の全人口一万九八九五人の六割、六〇年は三万七八五九人の七割、六五年も七万八九三五人の七割を占めていた。
 若年層のなかで配偶者がいる人の割合(有配偶率)が高いことも小平の特徴である。表6-3のように有配偶率は、とくに男性の三〇代と女性の二〇代後半から三〇代前半で高い。東京都の有配偶率と比べると顕著である。小平の男性の全人口にしめる三〇代有配偶者の割合は、一九%(一九五五年)、二三%(六〇年)、二五%(六五年)と増加し、女性の二〇代後半から三〇代前半の有配偶者の割合も、二〇%(一九五五年)、二五%(六〇年)、二六%(六五年)と増えている。男女ともに東京都の割合よりも高く、一九六五年の三〇代男性にいたっては、東京都よりも七%上回っている。小平には、結婚してからまだ年月の浅い、三〇代前後の若い夫婦が多く移り住んだのである。
表6-3 男女別5歳階級別有配偶者数及び割合(男女別)
 1955年1960年1965年
小平市年別実数(人)割合(%)実数(人)割合(%)実数(人)割合(%)実数(人)割合(%)実数(人)割合(%)実数(人)割合(%)
人口総数10,291100.09,604100.019,680100.018,176100.040,990100.037,945100.0
15~1910.0120.120.0160.1130.0600.2
20~24470.52642.7990.56153.44091.01,5404.1
25~295825.78679.01,2626.42,22312.22,8486.94,88412.9
30~349779.51,09611.42,55613.02,26712.55,49613.45,25213.8
35~399779.58068.42,00910.21,7229.54,82411.83,6449.6
40~447917.76086.31,4187.21,1296.22,8557.02,5096.6
45~495655.54684.91,0595.48524.71,8904.61,6394.3
50~544854.73223.47693.95893.21,6053.91,2693.3
55~593363.32532.66643.44032.21,2723.18392.2
60~642482.41711.84062.12611.48781.24881.3
65~691831.8921.02741.41700.94740.72730.7
70~1561.5680.72731.41070.65110.52130.6
有配偶者総数5,34852.15,02752.310,79154.910,35456.923,07554.122,61059.6
東京都年別     
人口総数2,961,226100.02,813,899100.03,844,134100.03,590,616100.04,431,793100.04,220,506100.0
15~191230.03,8750.18650.06,6840.21,9200.08,7990.2
20~2421,2530.798,9743.536,8181.0135,3703.861,2721.4177,9704.2
25~29159,4355.4262,7079.3223,0155.8344,0949.6276,5096.2414,5509.8
30~34233,0007.9264,8839.4336,8618.8328,4679.1420,8369.5403,6489.6
35~39215,0617.3221,7367.9267,8917.0274,5357.6363,6418.2330,2487.8
40~44215,5797.3192,0966.8219,8075.7220,1456.1267,3536.0267,5896.3
45~49185,2356.3149,9515.3215,6435.6186,0935.2215,4534.9209,5875.0
50~54157,9255.3114,4354.1180,6574.7139,4053.9207,2454.7170,4504.0
55~59118,8214.075,2592.7148,4623.9100,2382.8168,1153.8121,6302.9
60~6479,1912.742,8591.5104,6392.760,9131.7129,7792.980,6401.9
65~6949,0911.722,6280.864,2021.730,4030.885,2581.943,5271.0
70~34,8971.212,6620.453,3851.418,9290.575,2431.727,4900.6
有配偶者総数1,469,61149.81,462,06551.81,852,24548.31,845,27651.32,272,62451.22,256,12853.3
(出典)国勢調査結果より作成。

 子どもの人口の変化に注目してみると、表6-4のように〇歳から四歳の乳幼児の増加率が著しく高く、その率は東京都全体の動向をはるかに上回っていて、全国的な戦後のベビーブームを過ぎても小平ではベビーブームが継続している。一方、五歳から九歳、一〇歳から一四歳の学齢期の子どもたちの増加率も高いことから、小平には、新しく生まれた子どもだけではなく、他所で生まれて移り住んできた子どももまた多かったといえる。小平の全人口に占める〇歳から一四歳までの子どもの割合は、三二%(一九五五年)、二八%(六〇年)、二五%(六五年)と低下を続けているものの、東京都全体の、二八%、二三%、二〇%の推移と比べれば、いかに子どもが多かったかがわかる。この継続的な子どもの増加が小学校や中学校の増設を長期に渡らせることになっていく。
表6-4 子どもの人口増加指数
 年齢1955~60年1960~65年
小平0~41.82.3
5~91.41.7
10~141.71.3
総数1.61.8
東京都0~41.01.3
5~90.81.0
10~141.20.8
総数1.01.0
(出典)国勢調査結果より作成。

 女性の動態に着目してみると、各年の女性全人口に対する配偶者のいる女性の割合は、五二%(一九五五年)、五七%(六〇年)、六〇%(六五年)と年々増加していて、東京都の五二%前後を上回っている。ただし、小平の女性の就業率はいずれの年も三〇%前後で変化がないことから、小平では専業主婦の人数が年々多くなる傾向にあったといえる。一九六〇年の小平における三〇代女性の平均出生児数二・一(三〇代前半と後半の数値の平均値)は、東京都の二・〇より若干高く、また、夫婦と子どもからなる核家族の割合は東京都の四六%をはるかにこえて六〇%であった(一九六五年)。
 高度経済成長期の小平は、若者と主婦と子育ての町であった。公民館で青年学級や主婦を対象とした教室が盛んに開かれ、また、教育や子育てに関する情報、記事が町報や市報に毎号のように掲載される背景はここにあった。