児童・生徒数の増加にともない、学校の新設、学校施設の増設や改築がおこなわれた。一九六〇年代に設置された学校は以下のとおりである。幼稚園は一三園(小平あさひ幼稚園、なおび幼稚園、丸山幼稚園、小平神明幼稚園、小平花小金井幼稚園、小平なみき幼稚園、小平若竹幼稚園、小平姫百合幼稚園、りんどう幼稚園、弥生台幼稚園、小平みどり幼稚園、白梅幼稚園、たかのだい幼稚園)、小学校は九校(一九六二年小平第七小学校、一九六四年小平第八小学校、一九六五年小平第九小学校・小平第十小学校、一九六七年小平第十一小学校、一九六八年小平第十二小学校・小平第十三小学校、一九六九年小平第十四小学校・小平第十五小学校)、中学校は三校(一九六一年小平第三中学校、一九六五年小平第四中学校、一九六八年創価中学校)、高等学校は四校(一九六三年都立小平高校・錦城高校、一九六四年白梅学園高校、一九六八年創価高校)であった。
新設校のみならず、既存校でも児童の急増にともなう校舎の改築がおこなわれた。一九六五(昭和四〇)年の小平第一小学校(以後、一小など)は、わずか一学期の間に全校生徒数が二〇人以上も増え、さらに学校周辺に続々と住宅が建設されていることから、次年度には、全校生徒数が一〇〇〇人を超えることが予想された。しかしながら教室の余裕はなく、教室はおろか職員室でさえも「すし詰」状態であった。また一小の西・南校舎は、当時小平市で最も古い校舎であり、老朽化が深刻であった。一九六六年度に他校から転任してきた教員たちは、「おんぼろ校舎におどろき、設備不充分には更におどろく」状況であったと、また都内から転入してきたある児童の母親も、「「三多摩格差」という言葉をよく聞いておりましたが、昨年の春都内より小平に転入して参りまして、東京に生れ、都内に育った私には、それを痛切に感じました。教育環境や設備があまりにも悪いのに驚きました」と、ともに一小の教育環境の悪さを指摘している(小平第一小学校PTA『広報』第一一号、第二四号)。
以上のような状況のなか、一小では新校舎の建設が決まり、一九六六年一一月に三階建ての鉄筋校舎の一部が完成した。子どもたち、教員、親たちはともに、「圧縮教室」からの解放を喜んだが、一方で「新生小平の生長は、止る所を知ら」ず、「ようやく落成した新校舎を加えて、スシ詰め学年、加えて図工、家庭科の二特別教室無しの現状」であった(『広報』第一四号)。新校舎は出来たものの、児童数の急増には追いつかず、その後も校舎の増築や設備改善が必要とされる状況であった。この時期、校舎の増改築は一小のみならず、他の小学校でも同様の状況であった。二小でも、一九六六年四月から明らかに二教室が足りなくなることが予測できる状態であった。「二部授業」や「青空教室」を避けるべく、PTAでも署名活動をおこなうこととなり、一九六六年秋に鉄筋三階建て(八教室)の新校舎が建設された。
表6-7 小平市小学校児童数(1961~1970年) |
年 | 学校数 | 学級数 | 児童数 |
1961 | 6 | 126 | 5,778(男3030、女2748) |
1962 | 7 | 140(特殊学級2) | 6,196(男3218、女2978) |
1963 | 7 | 150(特殊学級2) | 6,595(男3459、女3136) |
1964 | 8 | 174(特殊学級2) | 7,150(男3723、女3427) |
1965 | 10 | 200(特殊学級2) | 8,088(男4210、女3878) |
1966 | 10 | 219(特殊学級2) | 8,882(男4653、女4229) |
1967 | 10 | 244(特殊学級3) | 9,688(男5050、女4638) |
1968 | 11 | 277(特殊学級3) | 10,616(男5582、女5034) |
1969 | 13 | 302(特殊学級3) | 11,316(男5924、女5392) |
1970 | 15 | 319(特殊学級3) | 12,114(男6339、女5775) |
(出典)『学校基本調査報告』1961~1970年より作成。 |
表6-8 小平市中学校生徒数(1961~1970年) |
年 | 学校数 | 学級数 | 生徒数 |
1961 | 3 | 58 | 2,803(男1449、女1354) |
1962 | 3 | 67 | 3,415(男1767、女1648) |
1963 | 4(公立3、私立1) | 75(特殊学級1) | 3,534(男1807、女1727) |
1964 | 4(公立3、私立1) | 78(特殊学級2) | 3,604(男1832、女1772) |
1965 | 5(公立4、私立1) | 81(特殊学級2) | 3,551(男1801、女1750) |
1966 | 5(公立4、私立1) | 80(特殊学級2) | 3,425(男1763、女1662) |
1967 | 5(公立4、私立1) | 85(特殊学級2) | 3,539(男1829、女1710) |
1968 | 6(公立4、私立2) | 95(特殊学級2) | 3,931(男2142、女1789)(公立3714、私立217) |
1969 | 7(公立4、私立3) | 104(特殊学級2) | 4,336(男2465、女1871)(公立3903、私立433) |
1970 | 7(公立4、私立3) | 110(特殊学級3) | 4,745(男2784、女1961)(公立4091、私立654) |
(出典)表6-7に同じ。 |
表6-9 小平市幼稚園学校園児数(1963~1970年) |
年 | 学校数 | 学級数 | 園児数 |
1963 | 8(公立0、私立8) | 31 | 1,090(男567、女523) |
1964 | 11(公立0、私立11) | 44 | 1,695(男908、女787) |
1965 | 13(公立0、私立13) | 67 | 2,461(男1312、女1149) |
1966 | 12(公立0、私立12) | 78 | 3,082(男1605、女1477) |
1967 | 14(公立0、私立14) | 84 | 3,404(男1789、女1615) |
1968 | 15(公立0、私立15) | 96 | 3,696(男1861、女1835) |
1969 | 16(公立0、私立16) | 113 | 4,267(男2211、女2056) |
1970 | 17(公立0、私立17) | 119 | 4,716(男2455、女2261) |
(出典)表6-7に同じ。 |
表6-10 小平市高等学校生徒数(1963~1970年) |
年 | 学校数 | 生徒数 |
1963 | 3(公立1、私立2) | 1,850(男1633、女217) | (公立326、私立1524) |
1964 | 4(公立1、私立3) | 3,113(男2448、女665) | (公立641、私立2472) |
1965 | 4(公立1、私立3) | 4,329(男2990、女1339) | (公立1064、私立3265) |
1966 | 4(公立1、私立3) | 4,843(男3063、女1780) | (公立1165、私立3678) |
1967 | 4(公立1、私立3) | 4,769(男2847、女1922) | (公立1252、私立3517) |
1968 | 5(公立1、私立4) | 5,190 | (公立1607、私立3583) |
1969 | 5(公立1、私立4) | 4,809 | (公立1175、私立3634) |
1970 | 5(公立1、私立4) | 5,342 | (公立1171、私立4171) |
(出典)『学校基本調査報告』1963~1970年より作成。 |