公民館での婦人活動も活発になってくると、使い勝手の良い場所がほしいという要望が高まってくる。古くより住宅のある街道沿いの地域には集会所があったが、新しい住宅地域には集会ができるような場所があまりなかった。また、人気のある家庭料理講座の開講を公民館に希望しても、個人宅を開放しておこなうか、中学校が利用していない時間帯や夏季休暇期間に中学校の部屋を利用するほかなく、小平の婦人団体連絡協議会から他施設と共有しない独立した公民館づくりの声が上がった。婦人団体連絡協議会は公民館建設基金を集めるため、一九六〇(昭和三五)年にバザー、同年と翌年に青年会と共同して盆踊り大会を開催する。青年学級、青少年委員、体育指導員、体育協会、商工会なども加わった公民館建設研究会が一九六一年二月に発足し、募金活動に宣伝活動にと公民館設立運動が展開された。
一九六一年八月、小平町の公民館運営審議会は、「中央に一、地区分館三」の設置、職員については、「館長一、主事六、事務職員二、用務員を配置することが望ましい」と答申する。小平町社会教育委員会は一九六二年一一月に、担当職員の増員、各種委員の活動費の予算措置、施設や場所の確保の要望を市長、教育委員長宛に提出する。そして一九六四年六月、市庁舎の新築移転をきっかけに、小平公民館の独立施設が旧庁舎を改造して開館した。
図6-26 小平公民館
『こだいら公民館30年の歩み』