交流のための催しや趣味のサークル活動といった親睦活動も、自治会が力をいれていた活動である。たとえば一九六八(昭和四三)年の親睦に関係する活動を『さざんか』紙上からあげてみると、自治会主催の行事としては、敬老会、団地祭(文化祭)、文化(教育問題)講演会、成人式と成人を祝う茶話会、新春作品展(絵画、写真、刺繍、書道、紙細工、人形、編物)などがあり、日常的な活動としては、毎週一回の子ども会とコーラス部、囲碁同好会、月一回の料理教室や七宝焼き教室があった。
そのほかに住民が自主的に作ったサークル活動としては、小平団地老人クラブ「明治大正の会」が毎月句会を開き、作品を『さざんか』に掲載したし、野球クラブや母親たちのサークルである人形劇ポッポも、毎週のように活動をしていた。さらに「小平文学同好会」は小平団地から生まれた文学愛好家のサークルで、同人誌『けやき』を発行して小説・詩・短歌・俳句・随筆等を掲載した。初期の『さざんか』紙上には宮崎県人会のよびかけもあった。
このような活動が示すのは、団地住民は教養を高め、自己を表現し、他者の承認を得るという文化活動への関心が強いということであるし、住民同士の交流への欲求が強かったということである。自治会はこうした住民どうしの交流を活性化させる主体であり、触媒になったといえるだろう。