「住宅都市」と「緑」

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ところで、「基本計画」には、「基本構想」にはなかった「みどりゆたかな住宅都市をめざして」というスローガンが掲げられている。「基本計画」案を特集した『小平市報』(第二〇〇号)をみると、スローガンの意図がわかる。市報では、冒頭で「基本構想」を、「小平に住んだからには他には絶対移りたくない…。そのような市民の願いがこめられた『緑ゆたかな住宅都市』づくり」を目指すものとして位置づけている。
 それまで、小平市の目指すべき姿について市報などで紹介するとき、「生活を楽しめる」「住みよい」「都市づくり」という言葉がよく用いられていた。これに対して、一九六〇年代に諸問題が山積して長期総合計画を立てることになったとき、「基本構想」ではまずハードの充実を掲げ、ついで「基本計画」では、「住宅都市」を明確に掲げ、さらに「緑」という付加価値をつけながら課題を整理することで、小平市の未来像を提示しようとしている。「住宅都市」と「緑」、これが「基本計画」に掲げられたスローガンの含意だった。この点はまたあとで述べることにしよう。