「第二次長期総合計画基本計画」では、一九七〇年代の一〇年間が振り返られている。一九七三年のオイルショック以降、行財政における長期的な展望が極めて難しくなった。加えて、省エネルギー社会、高齢化社会といった課題への取り組みが急務となる。また、市民の意識は生活基盤の量的拡大から生活内容の質的充実へ、物質的豊かさから精神的豊かさへ変化し、市民の価値観は多様化した。
この現状認識をもとに、「第二次長期総合計画基本計画」では、新たな施策課題がいくつか加えられている。「第二次長期総合計画基本計画」で叙述が増えているのは、福祉、消費者行政、コミュニティ政策、公園・緑地・用水の分野である。福祉の分野では、精神衛生から児童福祉・母子福祉・老人福祉・心身障害者福祉・低所得者福祉などの社会福祉の現状と課題について多くのページをさいている。消費者行政では、消費生活相談や消費者のための市民講座を開催して、市民の生活意識向上に対応しようとしている。コミュニティ政策では、地域自治組織のほか、婦人団体、老人クラブ、子ども会、ボランティア団体などの組織の育成が目指される一方で、コミュニティの充実を目的として、図書館・公民館・地域センター・公園緑地といった施設のさらなる充実が目指された。公園・緑地・用水の分野の叙述も格段と多くなっている。一九八一年の「第二次基本計画」は、それまでのハードな「開発」一辺倒から、「開発」とソフトを組み合わせたものに移行していると位置づけることができよう。
図7-2 市報で報じられた「第二次長期総合計画基本計画」 1980年
『市報こだいら』第437号