一九八〇(昭和五五)年から八一年の『小平商工会だより』では、「シリーズ 商店街だより」として四つの商店会が紹介されている。花小金井商栄会・学園坂商店会・西学園共栄会・学園一番街商店会である(近現代編史料集⑤ No.二四二~二四五)。このうち、学園一番街と学園坂商店会は、一橋学園駅周辺の商店会である。
学園一番街は、一橋学園駅北口の正面に位置する。市制施行の頃は、小川駅・花小金井駅・小平駅周辺の商店街に比べて淋しい感があったが、一九八〇年頃には六六の商店数を数え、市内随一の繁華地区となった。商店会の大きな事業として、一九七九年から一年をかけて、小平市内ではじめての装飾アーチを建設した。装飾街路灯も老朽化してきたので、漸次装飾アーチに見合ったデザインのものに建て替えていくこととした。
学園坂商店会は、一橋学園駅北口から一番商店会を過ぎたところに位置している。市制施行後すぐに、四、五店の建売店舗が開店したことからはじまった。一九六〇年代後半、一橋学園駅につうじる両側の雑木林が次々に商店に変わり、一九八〇年には七七店舗を有する商店会となった。前年には、小平市商店街コンクールで最優秀賞を受賞し、モデル商店街として市内で最も活気のある商店街の一つである。
学園坂商店会の商店主の特徴は、小平に移り住んできた人が多く、、年齢が非常に若く、若い顧客を取り込むような経営、販売、労務、接客に取り組んでいることである。
こうした商店会も、一九八〇年代頃の大型小売店や外食産業の進出に危機感を覚えている。装飾アーチや装飾街路灯を設置して、活気のある明るい商店会づくりを進める一方で、道路整備や多摩湖線の踏切増設について請願、陳情をおこなっている。