公民館利用者懇談会

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公民館利用者全体が集まる組織の誕生は、一九六六(昭和四一)年の市民文化祭のなかで、公民館の呼びかけによって学級講座修了者のつどいを開催したことに端を発する。六八年からは公民館利用者のつどいとなり、公民館利用の動機や感想、意見や要望を議論する場として、七〇年五月からは毎月定期的に開催されるようになった。これが公民館利用者懇談会のはじまりである。
表7-10 小川地区公民館利用者懇談会のうごき
1970年度5月小川地区公民館が小川保育園の2階に開館
1971年度10月利用者懇談会(9団体参加)が月1回例会で開催されるようになる
 10月小平市公民館大会(第2回)に参加
1972年度7月利用者作品展の開催
10月利用者懇談会全体会(中央公民館)に参加
11月小平市公民館大会(第3回)に参加
12月小川地区公民館施設の充実をはかる請願書を提出
1月総会と新年会を開催
 3月利用者懇談会全体会に参加
1973年度 公民館主催講座が利用者懇談会と相談して決められるようになる
11月小平市公民館大会(第4回)に参加
 1月総会と新年発表会を開催
1974年度4月映画会「楢山節考」を開催、老後について話し合う
7月学習講演会「新しい公民館をめざして」(社会教育課長)
 小川地区公民館利用者懇談会だよりの発行開始
11月文化講演会「玉川上水を語る」(杉本苑子)
 小平市公民館大会(第5回)に参加
1月新年会と総会を開催
 3月利用者懇談会の総則をつくる
1975年度4月財政、広報、行事の各委員会を発足
5月市長、議会、教育委員会宛に公民館施設の充実をはかる陳情書を提出
 野草ハイク(五日市)を実施
6月映画と講演会「公民館活動とは何か」
10月市民文化祭(作品展・バザーなど)に参加
11月小平市公民館大会(第6回)に参加
 1月総会と新年発表会を開催
1976年度4月野草の観察・試食会(五日市)を開催
5月講演会「婦人問題」(橋本宏子)
10月小平市公民館大会(第7回)に参加
11月秋のリクレーション会(御岳登山)を開催
 1月総会と新年会
1977年4月市民センター建設の要望書を市議会に提出
5月恵泉女学園大学を見学
10月小川地区公民館まつりを公民館と共催
11月秋の遠足(多摩動物園)を開催
 小平市公民館大会(第8回)に参加
 1月総会と新年会を開催
1978年度4月野草の観察・試食会(五日市)を開催
9月小平市公民館大会(第9回)に参加
10月小川地区公民館まつりを共催
 1月総会と新年のつどいを開催
1979年度4月野草の観察・試食会(五日市)を開催
9月公民館創立30周年記念行事に参加
 小川地区公民館まつりを共催
11月小平市公民館大会(第10回)に参加
 1月総会と新年発表会を開催
(出典)『こだいら公民館30年の歩み』1980年、小川公民館・小川公民館利用者懇談会『小川公民館開館10周年記念』1980年より作成。

 『こだいら公民館だより』(第四四号)では、一九七〇年は小平の公民館の歴史のうえで画期的な一年であったと位置づけられている。小川地区公民館が開館したこと、婦人講座で臨時保育をはじめたこと、そして利用者懇談会を毎月定期的に開催して利用者や団体の「横」のつながりを強め、その成果として市民文化祭のなかに公民館大会を立ち上げることができたことをあげている。以後、公民館大会は利用者懇談会の一番の年間行事となった。
 公民館大会は、一九七〇年の第一回から七三年の第四回まで公民館職員の指導のもとで開催され、サークル・団体の相互の交流や理解、利用者個人の活動報告、そして利用諸施設への要望など、多種多様な意見発表の場になった。七四年の第五回からは、大会に向けて四つ程度のテーマを設定して準備学習を重ねたうえで、分科会報告の形式をとって議論を深めている。こうした議論の成果は、「公民館活動費の増額と公民館職員の増員を要求する請願」(一九七四年一二月提出 署名数一一四八名)、「公民館等社会教育施設の予算増額と公民館職員の増員を要求する請願」(一九七六年一二月提出 署名数一七五五名)へとつながった。
 一九七四年、小平市は社会教育行政機構を改組して、青年・婦人・成人・高齢者の講座運営を中心とする公民館と、市民文化祭や市民体育祭をはじめとする文化活動・体育活動を担当する社会教育課とに業務を分離した。公民館利用者懇談会は、公民館と社会教育課の縦割りの関係にとらわれず、公民館だけではなく社会教育全体との連携を保つため、公民館等利用者懇談会と改名した。そして、同年五月より『利用者懇談会ニュース』を刊行するようになる。
 年四回発行する利用者懇談会ニュースは、当初、「公民館まつりへのお誘い」や「公民館大会報告」などのお知らせや報告が主な内容であったが、発行三年目の一九七六年九月七日号より紙面が一新される。公民館利用者懇談会では、公民館利用者の会に対する無関心さを感じ、利用者にどのように働きかけるのかを議論した結果、広報誌の充実をはかることになったのである。これまでの報告中心の単調な誌面から、巻頭に目次を付け、サークル・団体の紹介欄に数頁を割いた。編集後記から、「すこしでも交流に役立つように、団体・サークルの活動を紹介することにしました。青年、成人、高齢者と取材にうかがいますので、その節はよろしくご協力のほどを」、「社会教育に関する意見、論説、随想、地域の出来ごと等、投稿をお待ちしています」とその方針が伝わってくる。その後、一九七八年九月三〇日号では「婦人問題」、翌一九七九年一月三〇日号では「子どもと社会教育」といった特集企画に取り組むなど、『利用者懇談会ニュース』はいっそう充実していった。