98枚目

成者共計相選候為と、外組之者共感し入候体ニ
御座候。拙者事も右ニ準し至而達者ニ罷在候間
少しも御案事被下間敷、家内之者共江も此段為御知
下度存候。次ニ、庄之助并村方之者共、至而丈夫ニ
上着いたし候間、是以早速御伝言被下度候。
扨、御場所之儀ハ、山計多ク【添川前山のことく左程高山もなく 松原計也】
存之外成事ニ御座候。三四丈も深掘ニ可相成所も
有之、此上、人夫さへ沢山ニ相成候得ハ早速も出来
申哉。此頃、黒鍬土方雇之者千人計御頼被成候趣ニ御座候。
此方御手人より半分ならて仕業出来不申由、右ニ付、
 
追登之分、何程沢山参ニ登候とて御手閊ニ可相成
少しも無之、登りさへいたし候得ハ、なんても宜御模様ニ
御座候。乍去、道中不法等有之候而ハ、以之外成事ニ御座候間、
此段ハ才料之役人能々可心得事ニ御座候
咋廿三日鍬入始御祝義有之、人夫御普請所江出候節ハ、
壱組江四本ツヽ日の丸の大四半を建、吹流ニ組の頭字
カナにて染抜、人足共ハ銘々組の頭字を染候木綿半
巾の腰旗を付、貝を吹、太鼓を打、表御門より
往返之様子、誠ニ軍中之有様とも被存候。差当
江戸便り有之候問、先着し候儘、早々申進候