99枚目

猶、追便委曲可申進候、以上
  七月廿四日        久松宗作
  鈴木弥市右衛門様
 
  尚々、【川行村】肝煎村政治、【狩川村】同喜助追登世話致し居候筈、
  右両人江早速御申通可下候、以上
 
 一筆啓上仕候。于今残暑甚敷御座候得共、弥御安泰ニ
 可御凌、珍重之御義ニ奉賀上候。随而、私義無事相勤
 罷在、大慶仕候。扨、出立之折ハ何廉万々御威光、難
 奉存候。出国以来、道中筋御百姓共之内霍乱之者も出来
 乍去何レも当分の事ニ而、上着之節ハ全快ニ至り、先月廿三日
 無難着仕候。同廿五日、惣御奉行梶野土佐守様・御目付
 
 戸田寛十郎様・御掛篠田藤四郎様御見分、掘割方江鍬入
 相始申候
一、昨廿九日昼九ツ時頃、夕立急雨、御家老中御小屋を始雨洩
  甚く、荷物何レもぬらし申候。其節、戸田寛十郎様御昼休
  之折ニ而、小屋内ニ而傘さしかけ御昼飯被召上候。惣囲ヒ小屋
  とも駿河屋引受ニ付、同人小屋江被呼出、被申談、当惑申
  訳無之体ニ御座候
一、御小屋之義、長二十七、八間ニ幅三間位、三十軒余建ならへ
  申候。御家老中御居間ハ小松位之表畳、其以下不
  七嶋へりなしニころはしねだ・簀囲・葉かやふき也