100枚目

  小屋敷も追々相増、大前の御囲内すき間無之、出
  入大混雑ニ御座候
一、御場所之義者、中々莫太之事ニ而、不容易事ニ御座候
  乍去、さして難場と申所も無之、此上、人夫さへ沢山ニ相増候得ハ、
  成就不致と申事ニ者無御座候。別紙牓示杭書付、
  御覧御察可下候。毎日
  公義御役人中御見廻、色々之御注文計御申聞、仕用
  日毎にかわり、多人数心々迷惑之色相見、御取扱方
  甚難義、当惑千万之由、乍去、威勢ニ難敵、むかふ
  なりに畏候ゟ外無御座、誠難渋至極之趣ニ御座候
 
  惣人夫江一昨日ハにしん三本ツヽ、昨日ハ塩引、外ニ沢庵
  漬と号し酒密ニ被下置候付、少し人気も進ミ候心ニ
  相成、昨日杯ハ何レも情働、掘方果敢取申候
一、御小屋中賄方ハ、江戸百川茂左衛門仕出ニ御座候処、
  御百姓共ハ数ケ処之為、渡方遅速有之、迷惑之趣
  申出候間、昨日より手賄ニ相成、鍋釜野菜之類まて
  御渡ニ相成候。六百人之内、色々小番小使等ニ差向、正出人
  五百弐拾六人、御雇七百四拾人余、昨日之出入ニ御座候。場所
  壱坪弐人半位ニ御座候。千二三百人之人夫ニ候得共、場所ニ
  ちらけ候而ハ、一向込合候所も無之、此上、三千人位之人夫ニ而