御合方諸家様も御同様御身上相立申間敷と云咄ニ御座候
一、惣坪数合拾壱万八千百七坪、 水上挽目ゟ切揚坪
内壱万四千百二十一坪、八月九日迄切揚坪
右ハ水上計の坪也。水中三丈余、堀敷拾間、長千二百九拾九間、此
掘揚坪二十万坪も有レ之様子ニ御座候
一、元池と申処ニ弁天之宮有。此処、出羽守様との境也。北柏井村ハ
因幡守様御境也。惣長千弐百九拾九間の内、弁天池ゟ野間越と申
所迄、両側ハ百川手の雇、黒鍬も入交、高台と申所二百五拾九間
庄内人足、人夫ゟ柏井村迄両側新兵衛・七九郎手の雇、是ニ者黒鍬者
多く入込也。土地ハ隨分かたき所も有り、砂地も有、又、ねは模様も有。
甚不同の地ニ御座候。尤、突崩候気遣ハ無レ之、是壱ツ之安心なり。
御小屋之井戸ハ拾ケ所計ニ御座候。土除側壱ツ居、其下三五間
之間ハ掘候侭側付ケ不レ申候。是を見候得ハ、しまり候土ニ者相
違無レ之候。其下六尺側七ツハツ宛、井惣深サ十間計も御座候
扨又、因州様・播州様御場所内化燈と申泥土之場所多く
有レ之、是大難場、馬ふんのことき土ニ而、水気甚しき所ハ
わき出、只とろ〳〵と云物ニ而、鍬ニもすきニもかゝり不レ申、
只水のことくくミ干シ候より外無レ之、其上いか程掘候ニ而も、
壱夜之内泥土涌キ出埋リ、又ハ、川形より五、六間乃至十間十
七、八間計脇の方、山・畑・田面等割レ、掘割江なだれ落候体に御座候
此所成就不レ致候而ハ此方様御分も水の送り所無レ之、左候得ハ、
羽州様も御同様御普請之成就無二覚束一、其上印旛の
水嵩ゟ毛見川村之海面却て高キ杯申者も有レ之、又、
壱丈四、五尺も海面之方低キ共申候。いつれ化燈ハ第一之