113枚目

「かけまくもかしこき御代のたたしきハ大炊にすます水の濁りを
「とんた地も上ケ地も今ハ我か身にて浜松風の音の淋しさ
「四海なミ治る御代ぞ大炊なるかしこき民の歓の声
「石ハ飛辻ハこわるゝ世の中に何とて町ハくひなかるらん
「ふる石やかわら飛込水野音
     覚
水野越前守居屋敷前往来之者共、昨夜六ッ時頃ゟ
追々多人数相集、門戸并屋敷内江石投打、屋敷附
辻番屋之義も損所有之、殊之外騷々敷御座候ニ付、
制之者差出可申所、慎中ニ付差控候内、近辺諸家ゟ
制之者差出、散乱いたし相鎮申候。屋敷場所柄之義、
別而恐入奉存候。依之、越前守差控中之義ニ御座候間、
 
此段私ゟ御届申上候。以上。
 閠九月十四日           永井遠江守
右、御用番大炊殿江御届申上候也。